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「おもろいヤツ」File2:古宇田曜平(後編)

 実はヨーヘイの記事は次のテーマの導入でもあって。

 現在私たちはコロナの只中にあるけど、こういう時だからこそ体の健康、心の健康、地球の健康について立ち止まって考えたいものだ。ということでここからは広い意味でも健康をテーマにお届け!ファッションからの健康に繋げちゃうのは無理やり?でもサスティナブルって地球の健康だし、コロナのこの時期を生き抜くには体だけじゃなくて精神的な健康も必要だわさ。まま、ひとまず彼の話を聞いてみて。


 

退屈はクリエイティブの源泉?

コロナによって自粛生活が強いられていて、みんな退屈していると思う。前に「退屈はクリエイティブの源泉か」って話したね。私は退屈な時は何も面白いことを思いつかないから退屈ではクリエイティブにはなれないと思うけれど。

 「一般的に退屈は純粋に時間が有り余っている状態のことを指していると思って。時間が有り余っているということは、自分の好きに自分の行動を決められるということだから、その刺激が欲しいってなったら、いつでも掴みに行ける状態だと思ってる。散歩しにいくでもいいし、他の人の芸術作品をみるとか、誰かと喋るとか旅をしてみるとかそういうのを自由にできる状態。退屈だからなんでもできて、なんでもできるから芸術に消化されるされるみたいな。やることはたくさんあっても自由な時間を持っていればそれは退屈。自分の時間を持てて、自分からなんでも欲しいものを持ってこれる状態っていうのはクリエイティブの源泉である、と言える気がする。

 一方で今の状況はこういう退屈ではないのは確か。コロナのせいで確かに時間が余っているっていう人はいるかもしれないけれど、それは望んで手に入れた時間ではないし、皆がこの時間を楽しめるわけではない。だって、仕事に行けなくて休まざるを得ない人は収入もなくなってクリエイティブどころじゃないし、学校に行けない子供は勉強の機会だけじゃなくて友達と話したり遊んだりする機会も奪われたわけだからやっぱり良い退屈とは言えない。

 とはいえこの時間をクリエイティブの源泉にする方法はまだあるはずで、自分の内面に向き合うことがその近道だと思う。コロナが蔓延する前の世界では程度の差はあれど、みんなが抱えている何かやるべきことのために必死だったはず。でもこうやって不可抗力的に活動を止められたお陰で、って言うのは少し不適切かもしれないけれど、自分の来た道とこれから行く道をもう一度見直す時間が持てた。自分のやりたいことってこれでいいのかな?自分が今やっていることって何が目的だったんだろう?みたいに自分の内面と向き合うことで新しい可能性が開けてくる。何かをクリエイト、創造することは必ずしもゼロから全く新しいものを生み出すことだけじゃなくて、どんどん可能性を開いていくことでもある。こんな考え方を持っていれば、コロナでの退屈もクリエイティブの源泉にできるんじゃないでしょうか!」

 

 「私たちだからできること」って本当によく聞くけど、ヨーヘイは「私たち」をただの「小さな存在」にとどめていない。彼は言葉通り「私たちにしかできないこと」を、今、やろうとしている。カスタモードを例にあげれば「私たちだからできること」っていうのは消費者である私たちだからこその視点でモノを述べるということ。

 持っているものしか与えられなくて、できることしかできないのなら、持っているものにどんな価値が見出せて、どう使うことができるのか、考えたいものだね。・・・退屈なんだし?


 

おまけ:そんなヨーヘイのおすすめの本だけ聞いてみた


 コロナで消えてった予定と引き換えに突然現れた謎の時間。まぁこういう時は焦らず、本を読もう。コラムにでも使おうと、おすすめの本を聞いてみた。


 「読んで気に入った本ってことでしょ。んー。面白いなって思ったのは、イタロカルヴィーノっていうイタリア人作家の書いた「冬の夜ひとりの旅人が」っていう本。その本はどういう本かっていうと、パートがいくつかに分かれていて。最初はカルヴィーノの語り的なものからいきなり始まるのね。『あなたは今からイタロカルヴィーノの”冬の夜ひとりの旅人が”を読もうとしている』みたい感じで始まって、そこから作者の語る「物語」が展開されていく。でもその物語の世界が急にぶつって途切れる。そしたらまたその作者の語りの場面になってて、『あなたはここまで本を読んだ、それでも次のページをめくると落丁している』とか『本が真っ白になっている』とか『あなたはその本を持って本屋に行く』とか言うの。だからその度に本屋で新しく手に入れるんだけどその本もなんらかの原因で続きがなくなっていて、あなたはまた本屋に行って・・・って何回も繰り返されていくのが一冊の本になっているみたいな。え、こんな物語の書き方ある!?って思って。それがすごいびっくりしたの。それが気に入った本かな。」






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